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いつか迎える日 [命]

我が家の老犬(桜)は今年で14歳になる。
人間の年齢に換算すると90歳近いのではなかろうか?

中型犬である彼女は外で約13年を過ごした。
しかし、さすがに13年目の冬に、家の中に入れることにした。
そのせいか、冬毛がすっかり抜け落ちてスレンダーになってしまった。

興味が沸けばどこへでも歩いていってしまった若かりし頃・・・
いまでは食事時と息子の出迎え以外はほとんど動かないし、暇さえあれば寝ている。
食欲は旺盛でまだまだ大丈夫だろうと思われるが、
これまでしっかり区別できた茶色の体毛もだんだん白くなってきてしまった。

大好きな2階にも相当な決意がないかがり上がってこなくなった。

日増しに高まるのは息子への気配り。
弟を想う姉のように振る舞い、老いなど吹き飛ばすように健気に尽くす。
たいする息子の方は、彼が生まれる前から彼女がいるので、
彼女が常に傍にいるのをなんら不自然と思っていないようだ。(そこにいて当然!といった感じ)

眼も耳も鼻も、若いころに比べたらすっかり機能低下してしまった彼女。
いつか迎えるであろう彼女を失う日を想像しないように、息子以外の家族全員で日々務めている。

彼女がまだ幼かった頃よりも、彼女がいとおしい。
その姿も毛並みも温もりも声も存在感も・・・

短い春を超えると、彼女が一番苦手とする夏がやってくる。
去年以上に気を配らねば・・・

我々の気持ちとは逆に、時間は間違いなく彼女の時間を削っていく。

どこかで大きな決断をしなければならないとき、たぶん私が判断することになるのだろう。
その覚悟をしなければとも思っている。

いつか迎える日のために、今日生きる事を体現する彼女のために。
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タグ:家族
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